司法試験受験生ならば知らない人はいないであろう名著「憲法ガール」。
「憲法ガール」とは、ライトノベル形式で司法試験の問題を解説した書籍で、2013年に発売以来重版を重ねるヒット作です。
その後、行政法の司法試験の問題を解説した続編「行政法ガール」も出版され、こちらも大ヒットしています。
そんなヒットメーカーである大島義則先生の最新作が「憲法の地図」です。
憲法学では、学説と判例の間に大きな距離があります。
そのため、受験生だけではなく、実務家であっても、憲法上の主張をしたとしても、裁判所に採用してもらうのは難しいのが現実です。
そこで重要となるのが「最高裁判所がどのように考えているのか?」を知ることなのです。
最高裁判所の判決は、最高裁判事だけでなく、最高裁判事をサポートする「最高裁調査官」という人々も作成に関与しています。
最高裁調査官は、裁判官の中から選ばれたエリート中のエリートであり、文字通り、法律的な論点について、我が国の学説や諸外国の学説、下級裁判所の裁判例などを「調査」し、最高裁が判断するために必要な資料を提供したりするのです。
そして、最高裁調査官の調査結果は、「最高裁判所判例解説」(法曹会)という書籍(通称「調査官解説」)として出版されています。
多くの法科大学院(ロースクール)の学生は、データベースや図書館で、調査官解説を読むといった勉強をしているはずです。
要するに、調査官解説とは、最高裁の「中の人」が書いた判例解説なのです。
もっとも、調査官解説は、個々の事件に対する争点を判断するもの、いわば地図の「破片」のようなものにすぎません。
そのため、地図の「破片」を集めて、全体像の地図を描くという作業は、かなりの労力が必要です。
大島先生の「憲法の地図」は、あえてその無謀なチャレンジをして、判例という「破片」を拾い集め、これらをつなぎ合わせて描かれたものなのです。
「憲法の地図」は、もちろん読むだけで膨大な調査官解説のエッセンスを理解できますから、非常に有益です。
日本地図や世界地図を見て、日本がどんな形をしているのか、世界地図の中でどの位置に存在するのかを理解することが重要であるのと同じです。
しかし、それだけでは足りません。
地図は、眺めるだけではなく、それを使いこなして、目的地にたどり着くためのものだからです。
みなさんが憲法を「わかる」といえるためには、実際の事例において「憲法の地図」を片手に歩いて見せなければならないのです。
そこで、大島義則先生の「憲法の地図」の出版を記念して、「憲法の地図」を使った歩き方について、大島先生にご講演いただくこととなりました!
題材は、平成28年司法試験の問題(クリックしてダウンロード)です。
※問題文をダウンロードのうえ、講演会までに目を通しておいてください。
平成28年6月3日(金)17時15分受付開始
17時30分~19時30分(予定)
TKP信濃町ビジネスセンター(信濃町駅徒歩1分)
〒160-0016
東京都新宿区信濃町34 トーシン信濃町駅前ビル5階
電話:03-4577-9240
法学部生、大学院生、法科大学院生、法曹実務家、研究者のみならず、幅広い方々からのご参加をお待ちしております。
基調講演(大島義則先生)
対談(大島義則先生×伊藤たける)
質疑応答
100名限定
※ご講演は無料ですが、当日は資料代として1000円をご持参ください。
多くの方々の参加が予想されますので、「お申込み」ボタンより、お早めにお申し込みください。
1983年生れ。
慶應義塾大学法学部・慶応義塾大学法科大学院修了。
著書として、『憲法ガール』、『行政法ガール』(共に法律文化社)など。
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