フレームワーク本の民事系の紹介(民法・商法・会社法・民事訴訟法)

弁護士 井垣 孝之   2016年3月27日 (日)

フレームワーク本の民事系のご紹介です。

民事系(民法・商法・会社法・民事訴訟法)は,刑事系と比べると統一的なフレームワークを作りにくく,結局は個別の制度や条文の学習をしなければならないのですが,実は要件事実は民事駅全般に通用するフレームワークです。
特に民法と民事訴訟法の知識を要件事実的に整理して問題を解くと,争点がくっきりします。

具体的に説明していきます。

 

第9章 民法(要件事実)のフレームワークP.202

1 民法のフレームワーク P.203
⑴ 重要だけれど学習は大変な民法
⑵ 法効果で整理することの重要性
⑶ 民法の全体構造
⑷ フレームワークで解く平成24年司法試験(民法・設問1⑴)
⑸ 民法のフレームワークの使い方のまとめ

2 私法全体のフレームワークとしての要件事実論 P.209

3 要件事実論の基本知識 P.211
⑴ 思考の出発点としての訴訟物
⑵ 要件事実論における法効果
⑶ 要件事実の意義
Column 所有権を基礎づける要件事実と権利自白
⑷ 要件事実と主張立証責任
⑸ 主張立証責任の分配基準
Column 「 抗弁」を正しく理解する

4 要件事実論の4つの基本原理 P.216
⑴ 要件事実最小限の原理(ミニマム原則)
Column a+b(aプラスb)の理論について
⑵ 有理性の原理
Column 「 せり上がり」、一歩前へ
⑶ 権利関係不変の原理
⑷ 要件事実特定の原理
Column 代理権授与の時期は、時的因子? 時的要素?
⑸ 4つの基本原理の使い方と要件事実論の学習法

5 民法の答案作成のフレームワーク P.225

6 フレームワークで解く平成24年司法試験(民法・設問1⑵) P.226

7 フレームワークに基づく民法の学習方法 P.229


最近,さまざまな要件事実の本が出版されていますが,「なんでこんな要件事実になるの?」という疑問を持ったことはないでしょうか?

私自身,要件事実の学習をしていてそういう疑問を持つことがよくあったのですが,本を読んでも結構わからないことが多かったです。
また,意外にロースクールでも質問できる人がいないんですよね。


しかし,要件事実的思考は,民事系の問題全体に共通して持っておくべきです。


弁護士や裁判官が民事裁判に臨むときは,審判の対象たる権利関係または法律関係(訴訟物)がどんなものであっても(それこそ会社法に基づく請求や行政事件であっても),必ず要件事実に即して事実を整理し,証拠を提出します。

したがって,実務で法律を使うことを前提に法学を学習するのであれば,民事系のどの分野であっても基本的には要件事実を前提に学習をすすめることが有用です。


フレームワーク本では,以上の理解を前提に,他の本にはほとんど書かれていない,要件事実を理解するために知っておくべき4つの原理を紹介しています。
わかっている人にとっては当然なのですが,「新問題研究要件事実」にも明示的には書いていないため,この機会に以下の4つにまとめてみました。

 

①要件事実最小限の原理
②有理性の原理
③権利関係不変の原理
④要件事実特定の原理


本書では,各原理がどのように要件事実に現れるかについても具体的にイメージできるようにしているので,かなり応用は利かせやすいと思います。

 

第10章 商法・会社法のフレームワーク P.230

1 商法の意義 P.231
⑴ 原則—例外のフレームワークから考える商法の意義
⑵ 原則—例外の具体例

2 会社法における利益衡量のフレームワーク P.233
⑴ 会社法の基本知識
⑵ 株式会社における利害関係人の最小限の構成
⑶ 会社法における利害関係の対立と調整規定
Column 会社における資金調達
Column 募集株式発行の差止め(発展編)
⑷ 取締役会設置会社における規律の修正
⑸ 公開会社における規律の修正
⑹ 大会社における規律の修正

3 会社法の問題分析のフレームワーク P.256
⑴ 機関に応じた規律の選択
⑵ 訴訟類型及び責任追及の方法に基づく思考

4 フレームワークで解く平成26年司法試験(会社法) P.256
5 フレームワークに基づく商法・会社法の学習方法 P.262


会社法は,とにかくイメージが湧かない,なんでこんなルールになっているのかわからない(から結局丸暗記になってしまう)という声をよくききます。

私は,その原因基本書が会社法が非公開会社とそれ以外の会社(公開会社・取締役会設置会社など)の規律を同時に学ぶように構成していること,各制度の典型的な利害対立が明示的に書かれていないことではないかと考えています。

そこで,本書では下の図表のような最小限の利害関係人のみで考える非公開会社の規律を先に紹介し,その後それが取締役会設置会社・公開会社・大会社などになると規律がどのように修正されるか,という記述をしました。



本書の総論でも述べていますが,法の存在意義のひとつはあらかじめ複数の利害を調整することにあるので,会社法でもほとんどの制度は必ず何らかの利害調整をしているはずです。
基本書をよく読むとその利害調整についても書かれているのですが,ノイズが多く,以上のような観点で書かれていることにはなかなか気づけません。

本書を読んでから会社法の基本書を読むと,かなり基本書の読み方が変わるはずです。

 

第11章 民事訴訟法のフレームワーク P.263

1 民事訴訟の目的 P.264

2 民法と民事訴訟法の関係 P.264

3 民事訴訟法における基本原理 P.266
⑴ 公正と効率
⑵ 信義誠実の原則
⑶ 手続保障

4 民事訴訟における判断過程のフレームワーク P.269
⑴ 民事訴訟の手続過程と民事訴訟法の原則
⑵ 民事訴訟の判断構造のフレームワーク
⑶ 処分権主義及び弁論主義と民法及び民事訴訟法の原理との関係

5 民事訴訟法と要件事実のフレームワーク P.275

6 要件事実のフレームワークに基づく判例の読み方 P.276
⑴ 事案の概要
⑵ 要件事実に即した問題状況の整理
⑶ 最高裁判決の検討

7 民事訴訟法における原則―例外のフレームワーク P.279

8 民事訴訟法における利益衡量のフレームワーク P.280

9 民事訴訟法の問題分析のフレームワーク P.281

10 フレームワークで解く平成26年司法試験(民事訴訟法) P.282

11 フレームワークに基づく民事訴訟法の学習方法 P.288

 

民事訴訟法も,やはりあまりイメージが湧かない,なんでそんなルールになっているのかよくわからないということで苦手にしている人が多いようです。

私は,民事訴訟法が難しい理由は2つあると思います。

1つは,民法等の実体法と民事訴訟法のルールとは密接に関連しているのに,そのような観点で民事訴訟法を解説する本が少ないこと

2つ目は,特に民事訴訟法の判例を理解するためには要件事実的思考による分析が必要なのに,それをしていないことです。


フレームワーク本では,百選にも搭載されているし,司法試験でも取り上げられた民事訴訟法の判例を要件事実で分析し,その判例の意味をかなりわかりやすく示しています。

おそらく民事訴訟法の学習に要件事実を取り込むという発想を持っている方はそこまで多くないと思うので,かなり役立つはずです。

 

民事系のフレームワークのご紹介は以上です。

先に本書を読んでから学習すると,司法試験はもちろん,実務でも使える実践的な知識が身につきます。



ご注文がまだの方は,お急ぎください。

 

次回は,公法系のフレームワークです。

 

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